25Jan

アイスバーンを溶かすのに最もいい方法は融雪剤を撒くことですよね。
融雪剤は水を吸い込むことにより発熱し、雪やアイスバーンを溶かすの
です。逆に、これはやってはだめという方法もあります。やっては
ダメな方法が都市伝説のように広がっているので、何がダメなのか
確認しましょう。
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それダメ!間違ったアイスバーンを溶かす方法
それではアイスバーンを溶かすのに絶対やってはいけない3つの事例を紹介します。
1.融雪剤をところかまわず撒く
冒頭で融雪剤の有用性を述べていましたが、場所によります。融雪剤の成分は
塩化カルシウムや、塩化ナトリウムです。塩化ナトリウムは食塩のことですよね。
これらの塩化物イオンは金属を腐食するのです。融雪剤が撒かれた雪道を走った
クルマのディスクブレーキ表面に錆がでやすいのはこのためです。また、植物の
成長に影響がでます。よく、塩害といいますがまさにそれです。
クルマに融雪剤を使うだとか、畑に融雪剤をつかうなんていうのは、やっては
いけない代表でしょう。融雪剤は、害も考えて適切に使いましょう。
2.お湯を撒く
雪やアイスバーンを温めれば解け、水となって排水できます。この原理を
使うために、お湯を沸かして流します。道路の融雪設備で温かい地下水や
温泉をつかっている地域があります。確かに、これは有効な方法です。
だが、しかし……少量のお湯でこれをやると逆効果です。温度遷移の
問題で、氷の融点が0度だと仮定してもマイナス-10度の氷を溶かすには
プラス10度の水が必要です。あたり一面の雪やアイスバーンを取り除くには
ものすごく大量の水なりお湯が必要になります。試しに台所でたっぷり氷を
入れたボウルに熱湯を注いでみてください。熱湯もあっという間に冷水に
なってしまいます。少量の水を使った場合、逆にツルツルのアイスバーンが
できるだけです。
3.火炎放射器で溶かす
どこに火炎放射器があるのだという話になりますが、農業の除草で使う
小規模なものを想像してください。炎であっというまに雪やアイスバーンが
消滅するかと思いきや、これはほぼ意味がありません。炎の周囲が少しだけ
溶ける程度で燃料からしたら割にあわないらしいです。昭和38年の1月に発生した
豪雪災害で、自衛隊が軍事用の火炎放射器を用いて雪に挑んだことがあるのです。
軍事用なので民生品とは比べ物にならない威力だったのですが、ほぼ意味はなく
火炎放射器の惨敗でした。農業用の火炎放射器なら、結果は最初から見えてますね。
個人でできる対策は融雪剤くらい
個人でできることはせいぜい融雪剤を撒くことくらいです。その融雪剤も気温が
下がりすぎてしまっては全く効果を発揮しません。他のことはするだけ、時間と
手間の無駄です。大自然に個人で立ち向かうことが無謀ですね。水を撒いて
アイスバーンを作れば誰かが転んで怪我をするかもしれません。冬の乾燥した時期に
火炎放射器とか、嫌な予感満々ですね。融雪剤以外はリスクだけあってメリットは
ないようです。その融雪剤もリスクがあるので、それを理解した上で使う必要が
あります。
筆者はスキーが趣味で雪国に頻繁に出かけます。帰ってくるとすぐにクルマの
ディスクブレーキを水で洗浄するのですが、あっというまに錆だらけになって
しまいます。融雪剤はそれほど腐食効果が強いことを覚えておきましょう。
植物の成長を阻害することから、農地での使用も避けたいです。
自然の前で我々は….無力….。
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